マンスリー・レポート No.54 (2005年6月)
活動会員のレポート
  「健康博覧会2005」の中国語通訳(バイリンガルアドバイザー)体験記
    池崎いけざき 元彦もとひこ(元 日商岩井)

 私は2005年3月16日〜18日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「健康博覧会2005」で台湾の中小企業(美容器具メーカー)の通訳として楽しい経験をしましたのでご報告をいたします。

 ある日ABICコーディネーターの方から電話があり、ABICのお得意先の国際展示会主催会社から中国語通訳者紹介の依頼が来たので、スケジュールの都合がつけばやりませんかとのことでした。一般的にはこのような例ではABICとしては通常は通訳可能と登録のある複数の会員にメールを出して希望者を募っていたことを私は知っていたので、なぜ電話なのですかと聞いたところ、今回は突然の依頼で、また至急返事しなければチャンスを失うので電話をしたということでした。

 私は美容関係の通訳などは出来ないとまずは固辞しましたが、ABICコーディネーターの皆様がわれわれ会員のために日頃大変な努力をしておられることを知っていましたので、それを簡単に断っては申し訳ないと思い直してお受けすることにしました。

 初日、不安な気持ちで会場に行ったところ、思いがけなく台湾のメーカーの女性2人(部長、課長)が待っており、挨拶も早々に製品の展示を始めました。展示製品は超音波を利用した小さな美顔器具とアロマ発生器具でした。

 博覧会出展の目的は、既に日本の有名化粧品メーカーの製品をOEM(取引先の商標で販売される製品の受注生産)で製造しているが、更なるOEMの依頼先を開拓することと自社製品の日本での流通ルートの開拓でした。このメーカーの製品に対する見学者の興味は、始めはマアマアというところでしたが、日を追うごとにターゲットとなる見込み客との商談が増えてきました。最終日などは当該製品を顧客に見せたい、社内で検討したいなどの理由で展示品を是非売って欲しいとの希望者が数社現れて分配をするのに困るような状況で、博覧会に参加した成果があったと思われます。

 当初、私は通訳というから、各展示コーナーの若い女性のように一日中立ったままビラ配りと通訳をするものと考えていましたが、実際は小さなテーブルに座って商談の通訳をすることが多く、疲れることはありませんでした。そして慣れるにしたがい単なる通訳でなくABICバイリンガルアドバイザーとして本領を発揮して、初日の午後からは私が商品説明や商談を仕切る状態でしたが、気の強い台湾の2人の女性も私のペースに慣れてくれました。そして最後日には先生(老師)と言わせてしまいました。

 実はこのペースに乗せるには少々苦労がありました。それは、初日に来た近県の業者がこの製品に非常に興味を示し、OEMを検討したいので是非工場まで来て欲しいと希望し、初日から残業代も無しで深夜の12時まで付き合わされたのです。この事で彼女たちの信頼を得たのかも知れません。

 今回はここでは記せないぐらいの多くの収穫がありました、中でも久しぶりに商談の第一線に参加したことが楽しかったこと、中国の製品が席捲している製品カテゴリーの中でも未だ台湾製品に対する信頼があることを実感したことは有益でした。特に健康博ということで、若い女性のモデルが多いのでヒマを盗んで鑑賞に行くなどの楽しみもあり、健康と若返りに効果がありました? また、安いと文句を言った謝金で飲み会にも数回参加できました。会員各位もチャンスを逃さずに参加されることをお薦めします。ABICコーディネーターの皆様に感謝!!

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