マンスリー・レポート No.1 (2000年7月)
外国人相談コーナーで主任相談員
    川島修司さん

 日本へ入国する外国人の数は年間450万人を超え、外国人登録者数も逐年増加して155万人と、滞在の長期化、国籍の多様化、家族化が顕著になっています。時には不法在留の問題も発生しますが、こうした外国人の方が生活上困った問題に遭遇した場合の手助けをする窓口が、各地の自治体などに設立されています。

 川島さんは関西のある自治体の外国人相談コーナーで主任相談員となって7年になります。相談コーナーの活動も陣容も拡大し、現在は12人のスタッフがいます。英語だけでなく、中国語・韓国・朝鮮語・フィリピン語・タイ語・ポルトガル語・スペイン語でも対応できる体制になっており、それぞれこうした言語の国から日本に移住してきた人、結婚して日本で暮らすようになった人などもスタッフとして一緒に働いています。

 外国人が困って相談に訪れるわけですから、問題は多岐にわたるとともに一人一人にとっては深刻なことばかりです。それにいかに迅速に、的確に、誠意をもって当たるかが大切な仕事です。滞在延長、一時帰国、国籍取得、諸届、日本語、医療、保険、年金、労働条件、賃金、時間外労働、保育所、就学、住宅、入居拒否、家庭内暴力、夫婦間の争い、交通事故、などなど。

 川島さんはもともとこうした問題に詳しかったわけではありません。商社では機械の営業マンでした。米国とカナダに合わせて11年間駐在し機械のビジネスに専念しました。ですから自治体の窓口に立っても、最初は持ちこまれた問題を一体どこでどう処理したらよいのやらさっぱり分からない状況でしたが、とにかく困っているこの人の問題を一刻でも早く解決してあげたいとの一心で、夢中で所内を走り回っているうちに何とか解決の道がつくものだと分かってきたとのことです。

 英語を自由に使えたことが役立ったのかもしれません。また、海外駐在の仕事は、ある意味で、さまざまなトラブルやいろいろな客先との衝突を臨機応変に処理する業務の連続ですから、そうした体験も生かされたのかもしれません。

 そしていつの間にか7年間もこの仕事を続けることになり、困惑や焦燥の表情で訪れて来る外国人のよき理解者として、今も忙しく立ち働いておられます。

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