活動会員のレポート

東京2025世界陸上競技選手権大会ボランティア活動報告

田中 たなか 孝一郎 こういちろう (元 Citibank, N.A.)

支給されたユニフォームを着用する筆者

アクレディテーションセンター入口

国立競技場

 2024年10月にABICからのメールで、2025年9月13日より21日までの9日間、34年ぶりに東京にて「東京2025世界陸上競技選手権大会」(World Athletics Championships Tokyo 25)が開催され、大会運営サポートのボランティア活動員を募集していることを知った。
 スポーツイベントのボランティア活動に参加するのは初めてであったが、運営サポートの一員として応募し採用された。当初募集人数は3,000人程度であったが、8,200人を越える応募があったため、最終的に3,400人が国立競技場をはじめ5会場で23の役割に振り分けられることになった。
 4月にオリエンテーションに参加し、大会に関する基礎知識や役割を学び、各自のシフトと活動場所・役割が決まった。
 大会からは写真のようなユニフォーム(ポロシャツ、パンツ、シューズ、キャップ)のほか、レインジャケットとナップザックが支給され、大会を素晴らしいものにしたいという気持ちと情熱がますます高まった。
 私の活動内容はアクレディテーション(Accreditation)、東京体育館にて大会会場および運営エリアなどへアクセスするための大会関係者用識別カードの発行を担うことであった。
 私はモーニングシフト(7:00-14:00)を希望し、9月3日と9月8日-10日までの4日間のボランティア活動に従事した。初日はボランティア活動のプロのような方とペアを組み、大会関係者がスムーズに本人確認と識別カードの写真を撮ることができるようブースへの案内を担当した。2日目はなんと熊本からボランティア活動に参加した女性とペアを組み、会場入口での案内を行った。3日目は現役陸上競技選手の女子学生とペアで、識別カードの作成作業を行い、最終日の4日目は子育て中の現役ママとペアで、初日と同様な役割を果たした。特に初日にペアを組んだ方は数多くのスポーツイベントのボランティア活動に参加し、前回のハンガリー・ブダペスト大会でもボランティア活動を経験しているとのことであった。彼のアドバイスを受けながら、やや緊張していた初日の活動を通して「おもてなし」の心だけでなく、日本の方も外国の方もお互いあいさつをしながら自然と笑顔で感謝の気持ちを伝えることができたと感じた。
 わずか4日間のボランティア活動であったが、日常生活では出会う機会が少ない仲間と知り合い、新たな視野を広げることができ良い経験となった。
 ボランティア活動後、ボランティア枠で9月13日大会初日の午前中枠チケットを購入し、初めて国立競技場で(1)男女別35km競歩決勝、(2)女子円盤投げ予選A・B、(3)男子砲丸投げ予選A・B、(4)男子100m予備予選、(5)男女混合4×400mリレー予選を観戦した。男子35km競歩の決勝は、目の前を勝木隼人選手がすごいスピードで歩き抜けていき、競技場の観客の大きな歓声と共にわれわれ夫婦も手をたたき声援を送った。他の競技種目はテレビで観ることはあったが、選手たちを目の前で観ることができ、新たに興味を持った。
 特に男女混合4×400mリレー第2走者の井戸アビゲイル風果選手の走りに驚き、日本新記録での初の決勝進出を目の当たりにすることができた。
 今まで知らなかった選手たちの名前と競技に少しばかり詳しくなったので、今後も陸上競技選手たちを応援していこうと思う。

(事務局注:ABICからは29人の活動会員が各種運営サポートのボランティア活動に参加した)