
世界陸上のマスコットのりくワンと

世界陸上35km競歩優勝のダンフィー選手と
この度、ABICからのメールでMOWAのボランティア募集を知り、ボランティア活動に参加させていただいたので、その内容や私の感じたところを紹介させていただくこととする。
本件の案内を受けた時に、MOWAと世界陸上との関係がどのようなものなのかが理解できておらず、まずは、MOWAとは何かを調べるところから始まった。
MOWAとは「Museum of World Athletics」の略で、過去の世界陸上、オリンピックのメダリストなどから寄贈されたユニフォーム(Singlet)、ゼッケン、シューズ、メダルなどを世界陸上開催に合わせて開催都市で展示するというミュージアムであることが分かり、私のような陸上競技のファンにとっては、非常に魅力的なボランティア活動であると思い、ぜひともと応募させていただいた。
実際の活動は、7月7日から世界陸上閉幕の9月21日までの間、都庁の第一本庁舎の2階のロビーと45階の展望室に展示された展示物、および、45階のモニターで見られる1991年東京大会の映像を来場者に紹介し、説明することだった。個人的には大好きであったカール・ルイスの100m決勝の映像を来場者がいない時に30回くらいは見させていただき、ボルトとはタイプの違う軽やかで華麗な走りに感激を新たにした。
いろいろな展示物と併せて、実寸大の世界記録(棒高飛びの高さ、走り高飛びの高さ、走り幅跳びの長さ)を見られる展示や、ハンマー投げのハンマー、砲丸投げの砲丸、やり投げのやり、ハードル走のハードル、さらには、最後の周回に鳴らされる鐘の実物に実際に触れられる展示もあり、幼稚園生からお年寄りまで、国籍を問わず、皆さんがこぞって実物に触れ、鳴らし、高さ、長さ、重さ、大きさに驚かれる姿に接し、日々楽しさが増していった。
また、ある日、海外から来た家族連れに展示の見どころを英語で説明したところ、最後に「Thank you! Your explanation was very helpful.」と笑顔で言われたことがあり、その瞬間、自分が役に立てたのだと実感し、とてもうれしくなった。このボランティア活動を通して、私は「伝えることの大切さ」、そして「心は世界共通であること」を痛感した。世界中から集まる人々と日々触れ合いながら、スポーツが国境を越えて人々をつなげる力を持っていることも実感した。
加えて、MOWAのオープニングセレモニーとドネーションセレモニーという二つの大きなイベントにも参加させていただいた。小池都知事をはじめ、世界陸連のコー会長他幹部、日本陸連の有森会長、元マラソンの谷口選手、野口選手、君原選手などと共に、世界各国の元有名選手と今回の世界陸上の競歩で優勝したダンフィー選手などとも交流できたことが、非常に楽しくうれしい思い出となっている。
私はこれまで、中学校から大学卒業まで陸上競技に取り組み、大学卒業後も入社4-5年目まで実際に走り、さらに大学OB会にも関わるなど、陸上競技とのご縁がずっと続いている。大学の先輩からの勧めもあり、「日本陸上倶楽部」(設立:1973年、会長:瀬古利彦氏)に入会し、現在は世話人も務めている関係で、引き続き陸上競技から離れることがない日々を送っている。
この先も陸上競技にできる限り携わりながら、さらに見聞を深めていけたらと思っている。
(事務局注:ABICからは14人の活動会員がボランティア活動に参加した)