新刊紹介

『1500語でマスターできる貿易英語―グロービッシュにも対応―』

荒尾 あらお 紀倫 のりみち(ABIC会員、元日商岩井)、デービッド・ホン 共著
発行所:外国語学習会  四六版 定価2,300円+税

 本書は、以前にこの「新刊紹介」欄で紹介した著者の「貿易英語の使い方」(2007年、同文舘出版発行)に基づき、Globishの開発者の一人である米人のMr. David Honと共同でまとめられたもの。前著と同様に、取引申し込みからクレームの処理、さらに長期契約までの英文レターやEメールによるベトナムと日本の会社間のコミュニケーションに基づいて解説されている。英文は限定された1,500語(付録1)で書かれているが、貿易実務上必要な専門用語は使用してもよいことになっているので(本書では93語使用。付録2)、貿易上のコミュニケ―ションが自由自在にできると著者は語っている。
 確かに1,500語だけで易しい簡潔な英文が書ければ、非英語圏のみならず、Plain English(分かりやすい英語)が奨励されている米英を含む英語圏においても大いに意味のあることだと思われる。英作文練習のために1,500語による短文作成問題(10問)および応用文作成問題(4問)、これらの英作文に役立つ参考データおよび解答が提供されている。英作文問題は著者が長年にわたり作成を担当してきた日本貿易実務検定協会の貿易実務英語問題(A級およびB級)に準拠している。
 また、重要文法事項(付録3)には1,500語から約5,000語の派生語を作る方法や読解および作文に必要な英文法、特に用法が難しい関係代名詞、準動詞(不定詞、動名詞、現在分詞、過去分詞)、仮定法、受動態が学習した英文レターやEメールに基づいて解説されている。