青山学院大学「国際ビジネス入門」ヨーロッパ市場編を講義する
活動会員の石田新一氏
今般、ABICは経済産業省(経産省)による2013年度の「第4回キャリア教育アワード奨励賞(中小企業の部)」を受賞した。経産省では、子どもや若者たちに対して、仕事のやりがいや学校での学びと実社会とのつながりを伝える「キャリア教育」を推進している。「キャリア教育アワード」とは、企業や経済団体等による教育支援の取り組みを奨励・普及するため2010年度に創設された表彰制度である。経産省ホームページには、ABICの受賞理由が以下のように記載されている。
「○大学とビジネス界をつなぎ、実際に海外で業務に携わった経験を基に行われる講師の講演、講義は、内にこもりがちといわれる学生に広い視野を提供する取り組みとして、また、グローバル人材育成という視点で極めて価値がある。
○グローバル化を身近なものとして捉える機会を効果的に提供しており、国際貢献等、21世紀型スキルが求められる現在の教育に与える意義は大きい。
○非常勤講師によるオムニバス方式が中心であるが、講座ごとに担当コーディネーターを置くことで、学生の関心を引く講義内容の工夫、学校とも十分調整され、教育の面での効果も得られるよう大学のニーズに応じた柔軟な対応がなされている。」
今回の受賞は、まさに2001年以降、ABICが国際社会貢献としての国際理解教育を実施してきた事業が評価されたものである。
受賞後、受賞団体のフォローアップとして経産省産業人材政策室、および関東経済産業局の担当による教育現場の視察が行われ、青山学院大学のABIC活動会員による授業の聴講が実施された。その後、青山学院大学側から同大学副学長以下関係者、ABICからは事務局長以下大学講座担当コーディネーター等の三者間で意見交換会が行われた。
意見交換会では、経産省側からキャリア教育の取り組みを中心にヒアリングが行われ、ABICからこれまでの講義事例などを基に回答した。特に教育効果を高める工夫として、新講師のための研修会、英語による講義手法などの勉強会実施、学生へのアンケート実施によるニーズの掘り起こし、講師間情報交換会などを行っていることを説明した。また、講義時には、講師の海外における失敗談や成功談も盛り込んでいること、学生の興味、関心を持たせる講義内容にすべく創意工夫を凝らしていることなどを報告した。
一方、ABICから大学への要望事項として、講師の年齢制限の緩和、オムニバス方式における大学との一括業務委託契約締結を申し入れ、さらに、大学のカリキュラム改訂手続きがタイムリーに実施できない現状などを訴えた。最後にABICより経産省に対して、せっかくの表彰を、もっと社会にPRしていただき、教育関係者にも認知されるべく支援いただくようお願いするとともに、ABICとして、さらなるキャリア教育への取り組みに協力していく旨を表明した。