活動会員のレポート

富山県高岡市商工会連合会展示商談会にABICアドバイザーとして参加して

三神 みかみ 博美 ひろみ (元 キッコーマン)


受付風景

アドバイス風景(左が筆者)

 2013年、年の瀬も押し詰まった12月18―19日、富山県高岡市テクノドームで富山県商工会連合会主催の『北陸新幹線開業カウントダウン・とやま元気企業創造展示商談会、「海・土・里・人、とやまで発掘!フード&インテリアショー」』が開催され、ABICからアドバイザーとして参加した。
 「北陸新幹線開業カウントダウン」とあるように、2015年春に予定されている、北陸新幹線の高岡市乗り入れに先立ち、県内食品とインテリア関連品の販促が目的であった。
 会場の高岡テクノドームには県内152の食品・インテリアの中小企業ブースが設けられ、県外から招待されたバイヤー、地元富山県および県外のコンサルタントやアドバイザー130人も参加した。
 本展示商談会で筆者の担当企業数は、食品関連企業21社とインテリア関連企業5社。1社当たり持ち時間15分、最大30分以内で指導を行うよう要請された。指導分野は、販路開拓、販売戦略、パッケージデザイン、商品開発の4分野にわたるが、1社持ち時間で20分程度のため、以下の2点に絞ってアドバイスした。
 1)販路開拓:小・零細企業では大手小売店への販促費負担が難しい。傾向としてスーパー・デパート等での物産展参加が多いが出展経費等がかかる。販路として近県の自動車アフターセールス企業、カード会社・旅行社運営のお土産物産カタログへのアプローチを紹介した。
 2)販売戦略:各社は自社サイトを保有しているが、県外からのサイトアクセスはほとんどなく、サーバー維持費や保守費用など、ホームページ開設の効果が少ないとのコメントが多かった。アクセスアップ方法として、大手無料ブログサイトのアメーバ、ヤフー、ライブドアなどからスマートフォンでのアクセスを前提に、有料で運営している自社サイトへの、リンク張りの有効性を指導した。簡単ではあるが記事の書き方、表示の仕方などを説明した。毎日あるいは一日に数回記事を掲載すると、サイト内を検索しているGoogleのクローラーと呼ばれる検索ロボットが解析しYahooなどの検索上位に上げることも可能。ただしリンク張りは数記事に1本が有効。各ブログには予約機能があり、日時を指定して記事を掲載できる。各社とも商品や製造場・畑の画像はたくさん持っているので、積極利用すべきと助言した。
 国内販路開拓で地域産品をプロモートする方法に、自治体の協力を得たシティプロモーションが効果的だ。高岡市には国宝瑞龍寺、万葉歌人大伴家持が1260年前に設けた国府の越中勝興寺庁跡、江戸時代から昭和初期までの歴史的な雰囲気が体験できる市内吉久町に作られた加賀藩の米蔵、また南砥市には1995年12月ユネスコの世界遺産に登録された五箇山の合掌作り等、富山県内には観光資源が豊かだ。
 北陸新幹線新高岡駅オープンは、富山県内特産品の活性化の大きな契機になると思われる。