新刊紹介

『貿易実務の基本と仕組みがよ〜くわかる本』
『貿易書類の基本と仕組みがよ〜くわかる本』

新刊紹介
『貿易実務の基本と仕組みがよ〜くわかる本』2012年8月6日刊
『貿易書類の基本と仕組みがよ〜くわかる本』2012年9月1日刊
布施 ふせ 克彦 かつひこ (ABIC会員、元 三菱商事)著
秀和システム刊  定価1,500円+税






 本書2冊は、2004年と2005年にそれぞれ初版を刊行以来、今回で第3版となる。ビジネスのグローバル化によって、貿易の実務に携わる人が増えているという追い風もあり、幸い版を重ねている。これらの本は、貿易実務の過程と、それに関わる書類の内容と機能を淡々と説明している実用書で、貿易実務の入門書的な内容のものだ。前書第2版(2008年、2009年刊行)の内容に基づき、以降のルール、手続きの変更や世界貿易の情勢変化などが書き加えられている。
筆者は現役時代、三菱商事で主に鉄鋼貿易業務に従事してきた。貿易実務には精通したつもりでいたが、実際に貿易実務全体の解説書を書くとなると、未知の部分や、間違って解釈していたり、解釈があやふやだったりする部分が多くあった。幸いABICの仕事で、社会人向けセミナーにおける「貿易実務」の講師を務める機会があり、そのための準備をすることで、貿易実務全体を改めて勉強したことが、この本を書くきっかけとなった。
そうはいっても、実務を離れて長年を経ている筆者が、実務について書くことには、内心忸怩たる思いを禁じえない。特に近年は貿易実務にもIT化の波が押し寄せていて、筆者自身がまったく経験していない実務が多くなっている。変わりゆく実務については、関連業界の方々に教えていただいたりしており、筆者が実務に携わっていた頃との大きな違いを感じている次第だ。
会員の皆様がもし何かの機会で貿易実務に再度携わる機会があれば、本書を手にとっていただき、至らぬ点などあれば、ご指摘いただきたいと思っている。