活動会員のレポート

雲雀丘学園中学校での初めての国際理解学習(3年生対象)

たちばな 弘志 ひろし (小中高校国際理解教育担当コーディネーター、元 三井物産)


1月19日 講義する筆者
西山教論(中央)と講師
(左から安間会員、
松村会員、小林会員、筆者)

講義する松村会員(べトナム担当)

  兵庫県宝塚市で中高一貫教育を行っている雲雀丘学園中学校より、新学期から3年生になる生徒を対象とする国際理解教育授業を初めての企画として行いたいので、ABICより講師を派遣してもらえるかとの相談が関西デスクに届いた。
 早速、同校を訪問し、詳細を打ち合わせた結果、授業対象国としてBRICs 4ヵ国とすることなり、準備を開始した。その後、講師の都合により、対象国の一つをブラジルに替えてベトナムとすることとなった。3月14日の授業まで時間的余裕が少なかったものの、授業内容、授業に使う視聴覚機器の打合わせなども学校側と大変スムーズに行うことができた。
 授業は、各講師が同時に4クラスで並行して行う形で行われた。担当教諭による授業対象国についての事前授業が行われていたこともあり、60分という限られた授業時間であったが、生徒は熱心に講師の話に耳を傾けてくれた。
 同校にとって今回のような形式の国際理解教育は初めてのことであり、授業終了後、生徒からの感想文に加え、担当の教諭からも貴重なご意見を頂いた。これらを各講師にfeedbackし、講師からの感想をとりまとめた上で学校側に伝え、今回の授業に締めくくりとした。
講義する松村会員(べトナム担当)

 中学生を対象とする授業では、授業時間が60分前後に限定されることが多く、講師にとっては授業内容を絞り込む工夫を求められると共に、生徒が理解しやすい表現や工夫も併せ必要となる。また、授業冒頭で、まず生徒の興味を引く、いわゆる「つかみ」の話し方も大事であるし、授業の途中でも生徒の表情をとらえながら授業を進めていくことになる。
 今回の授業でも民俗衣装の実物を紹介したり、民謡を聞いてもらったり、紙幣、硬貨の実物を見せたり、写真集を回覧する等の工夫を行った。生徒からの感想文で共通する点は、対象各国を問わず、「今まで持っていたその国についての印象が、実際に生活をしていた講師の話しを聞いて変った」ということであった。その意味で今回の授業の目的を達成できたと思う。