活動会員のレポート

関西での「英語で教える」講義法講習会を開催

  2010年9月24日、関西デスクにて、立命館大学の堀江未来准教授を講師に迎え、既に英語授業講師をしている方や興味のある会員16名を集めて、昨年に続き第2回「英語で教える秘訣」というテーマの講習会を開催した。

 関西デスクでは、2004年上期から桃山学院大学経営学部で開設された英語授業14コマの講義(「経営学特別講義 ― 日本企業のグローバル戦略」)を担当して以来、今年に至るまで7年間継続してきている。
 6名のABIC会員の講師がそれぞれ得意の分野をベースにした切り口で2~3コマづつを担当するというもので、オムニバス形式でやってきている。 この授業の対象は当初は留学生を中心として、聴講希望の日本人学生にも開放していたが、最近は専ら留学生のみを対象とした授業となっている。今年の場合、ヨーロッパからの留学生を中心に約25名が受講した。

 また、追手門学院大学から要請を受けて、今年の9月から留学生を対象とする28コマの英語授業を担当している。「総合商社論」と「国際経済論」の2コースがあり、それぞれ14コマづつとなっており、各コースを4名の講師が担当している。
 受講生は追手門学院大の海外の提携大学からの短期留学生で、米国(4名)英国(3名)オーストラリア(1名)・インド(2名)合計10名の少人数クラスとなっている。

 文部科学省ほか関係省庁が策定した「留学生30万人計画」は、関西の主要な大学では真剣に受け止めて留学生の受け入れ努力を続けている様子で、上記関西デスクの活動に興味を持つ大学も多く、将来的にはニーズは必ずや増加するものと思われる。我々としても大学側の要請に対し、より広く対応出来るように講師陣のラインアップを整えて行きたいと希望している。関西の場合、絶対的に会員数も少ないうえに、英語で授業する旨了承して頂ける会員諸氏は更に少なく、カリキュラムを埋めるための講師の不足が頭の痛い問題である。

 英語で授業する場合、堀江先生も強調されていたように、完璧な英語を目指さないことが肝心。海外に駐在してビジネスの現場に携わった経験豊富なABIC会員は、必ずや若い世代に伝えるべき知識や経験をお持ちになっているはずで、留学生はそんな具体的な生の話には興味を持って耳を傾けてくれるものと確信する。今後積極的に、この英語での授業に挑戦してみようと思われる会員の増加を期待したい。
 さらに、堀江先生が講義の中で説明された、「アクティブ・ラーニング(参加型授業)」の実践の重要性には納得。特に海外からの留学生は、もともとこの種の能動的な学び方に慣れており、知識伝授型(講義型)の授業に慣れて教育されてきた我々世代にとっては、大変重要なポイントで、まずは教える側として、グローバリゼーションに対応すべく、多様な授業方法を学んでいくことが肝要である。

 最後に、日本を選んで来てくれた留学生に、日本の歴史や文化はもちろん、日本のビジネスの優れた面や特色を正しく理解してもらって、日本を好きになってもらえることを目標にして、ABIC会員として今後とも大学で英語で教える授業を拡充するとともに、このような講習会で教授法を進化させつつ、社会貢献に鋭意努めて参りたい。

(関西デスク プロジェクトスタッフ 吉富よしとみ 茂隆しげたか