活動会員のレポート

領事シニアボランティアとしてロサンゼルスに勤務

外務省領事シニアボランティア 田島 たじま 一靖 かずやす (元 前田建設工業)


総領事館事務所にて筆者

 建設会社での長い海外勤務等の経験と定年後の国際ビジネスコンサルタント、大学教員、地元のNPO活動等の経験が、外務省の領事シニアボランティアの仕事に従事する機会を与えてくれたと信じている。
 現在、私は在ロサンゼルス日本国総領事館の職員の一員として、優秀な多くの上司、同僚に恵まれながら、毎日を有意義に過ごしている。

 領事シニアボランティアの仕事とは、毎日、当館領事部に来られる邦人に旅券や戸籍関係の申請書の書き方のアドバイス、その他、諸々の問い合わせに領事と相談しながら、問題解決を図る事である。邦人と言っても、日本語を殆ど解せない方もいるので、この場合は、英語で対応している。また、多くの外国人(米国人、中国人、タイ人等)も日本への査証を申請に来るが、英語の他に、多少出来る北京語、広東語、タイ語等も大いに役立っている。領事シニアボランティアのもう一つの仕事は、自分の仕事を通じて気がついた課題に対して改善策を提言することであるが、どの業務においても、自分のキャリアが大いに役立っている。
 私は、来館する多くの邦人や外国人から逆にいろいろな事を学ばせてもらってもいる。例えば、米国の事情だったり、日本の経済情報であったりする。


ロサンゼルス市内風景 
事務所(17階)からの眺め

総領事館が入居する52階建ての
カリフォルニアプラザ2ビル

 さて、日々、当館領事部フロアに来館する多くの方々の各種相談に乗ったりしているが、時々、日系スーパーマーケットや各イベントの会場で、私の顔を見て、見知らぬ方から、声をかけられることがある。“領事館ではお世話になりました”という声で、その人の顔を見るとどこかで確かにお会いした顔である。私の小さなアドバイスや相談事への対応が領事館と邦人の良好な関係構築に少しは貢献をしているのではと考えている次第である。

 ところで、当館の管轄する南カリフォルニアの気候は、半乾燥性亜熱帯に属し、年間を通じて快適な気候に恵まれている。雨量は極めて少ない。また、夏は昼夜の温度差が大きいのが特徴である。また、多くの国立公園を擁し、自然に恵まれているのも特徴である。
 米国の総人口は、約3億人で、その内、カリフォルニア州は約3千6百万人(12%)を占めている。全米の邦人数(2008年10月1日現在)は、約38万6千人である。公館別では、在ニューヨーク総領事館管轄の邦人数約9万6千人(24%)が1番を占める。2番目は在ロサンゼルス総領事館管轄の邦人で、約8万8千人(22%)である。故に、多くの邦人が住んでいるので、日本文化に触れる機会も多い。日系のスーパーマーケットや日本料理店も多数あるので、日本語で生活が出来るというのも特徴である。

 私の任期は3年だが、残り勤務期間は、まもなく1年となる。残る1年の勤務期間を通じて、これからも邦人を含むコミュニティーに私なりに奉仕出来たらと考えている。

 最後に、この紙面をお借りして、このような機会を提供していただいている外務省、きっかけをいただいた国際社会貢献センター(ABIC)、いつもお世話になっている在ロサンゼルス日本国総領事館の皆さん、私を支えてくれている日本の家族、友人達、それに米国でいろいろお世話になっている多くの友人達に謝意を表したい。


ラスベガス近郊のフーバーダム
(重力式アーチダム、1936年竣工)
(2008年訪問)

ドジャース球場(昨年訪問)